過払い金請求とグレーゾーン金利の関係とは?

過払い金請求とグレーゾーン金利の関係とは?

そもそも、過払い金とは、文字どおり、貸金業者に「払い過ぎた金」のことです。消費者金融業者やクレジットカードのキャッシングでお金を借りるときには、必ず返済条件(借りる金額、利率、返済日、返済回数など)を事前に決めます。

ところが、最初に決めた約束どおりにまじめに返済を続けていくと、おおよそ5年前後で借金は法律上なくなります。お金を返した際に渡される明細書にはまだ借金が残っているとはっきり書いてあるのに、法律上はゼロになっているのです。なぜでしょう。その答えのキーワードは「グレーゾーン金利」です。

利息制限法とは?

利息制限法という法律があります。利息制限法とは、借りた金額が10万円未満のときは20%、10万円以上100万円未満のときは18%、100万円以上のときは15%の金利しか取ってはならないとする法律です。

利息制限法に違反すると、利息制限法が認める金利を超える利息を支払う約束はすべて民事法上無効になります。つまり、25%の金利で50万円を借りるという約束をしても、利息制限法によって18%を超える金利が無効になる結果、25%のはずだった金利は自動的に18%に下がります。

無効になった利息分だけ元本が減って、いつかゼロになります

利息制限法によって高い金利を支払う約束が無効になると、利息分として支払ったお金のうち、利息制限法の金利を超える部分が自動的に元本に充当されます。

借りた人は利息を払っているつもりなのですが、法律上は元本に充当される結果、知らないうちに少しずつ元本が減っていきます。そして、まじめに約束どおりの返済を続けていくと、おおよそ5年前後で払い過ぎた利息分の元本への充当が終わり、元本はゼロになります。

ところが、借りた人は「自分がずっと払っているのは利息だ」と思っているため、元本が法律上ゼロになった後も「まだ元本が残っている」と誤解して支払いを続けてしまいます。

元本はもうゼロになっていますので、借りた人が払ったお金はすべて「払い過ぎた金」、すなわち過払い金となり、取り戻すことができます。

グレーゾーン金利の意味

消費者金融業者やクレジットカード会社のキャッシングは、利息制限法の金利を超えていることから違法です。

しかし、1983年に貸金業法という法律ができました。貸金業法は、一定の条件を満たせば、利息制限法を超える金利であっても、出資法を超える金利でない限り例外的に有効になるとしました。

つまり、利息制限法に違反する違法な金利であったとしても、貸金業法の条件を満たす貸付けであれば例外的に合法になったことから、利息制限法と出資法との間の金利は白(合法)と黒(違法)が混ざったグレー(灰色)なゾーンの金利、すなわちグレーゾーン金利と呼ばれるようになりました。

現在ではグレーゾーンはありません

出資法は刑事法のひとつであり、出資法に違反する金利で貸付けをすると懲役刑や罰金刑が科されます。出資法に違反する貸金業者は「ヤミ金」と呼ばれています。

もう一度整理すると、利息制限法以下の金利は白(完全な合法)、利息制限法を超え出資法以下の金利は灰色(貸金業法の条件を満たせば例外的に合法になる)、出資法を超える金利は黒(犯罪であり完全な違法)ということになります。

ところが、2010年に出資法と貸金業法が改正され、利息制限法を超える金利での貸付けが禁止され、それ以降はグレーゾーンはなくなりました。

したがって、2010年以降は、最初に決めた約束どおりに返済を続けたとしても、最初に決めた約束の金利は利息制限法の範囲内であることから過払い金は基本的に発生しません。

時効に注意

グレーゾーン金利がなくなったせいで貸金業者の利益は大幅に減りました。しかも、多くの過払い金請求によってこれまでに稼いだ儲けまで吐き出さなければならなくなったことから、消費者金融業界は大規模な再編が進みました。そのため、お金を返している途中で会社が別の会社に替わったり、同じ会社でもブランドが替わったりした方もおられるでしょう。

ずっと同じ会社の同じブランドで借りたり返したりしているのであれば、過去に発生した過払い金は新たな借金の返済に自動的に充当されることから、時効を心配する必要はありません。

しかし、返済途中で違う会社に替わったり、同じ会社でも別のブランドに替わったり、同じブランドでも一度完済したことがあると、その時点で別契約とされ、前の契約の過払い金はそのまま時効に掛かり、今の契約の借金はそのまま払い続けなければならないこともあります。

過払い金請求権が消滅する時効期間は10年ですから、どれほど長くても2020年にはすべての過払い金は時効で消滅します。したがって、もし過払い金が請求できそうだと思ったら、できるだけ早いうちに弁護士・司法書士に相談することをお勧めします。

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