過払い金の計算方法、過払い金を請求するときの目安

過払い金の計算方法、過払い金を請求するときの目安

過払い金請求をする際はまず、過払い金が現在いくらあるのかを知る必要があります。過払い金の金額を知るためにまず一番に必要となるのが、過払い金の計算です。

これまでにいくらの過払い金が発生しているのかを割り出し、その金額を貸主側に請求することになります。この計算は、引き直し計算と呼ばれ、過払い金として請求する金額を確かめる、とても重要な計算です。

引き直し計算をする際には、以下の情報が必要となります。

・いつ、幾ら借りたのか ・いつ、いくら返済したのか ・返済の際に、利子をいくら支払ったのか ・(完済している場合)いつ完済したのか

過払い金の計算には取引履歴が必要

上記のような過去の借り入れに関する詳細な情報をすべて完璧に記憶している人は居ないでしょう。過払い金請求には確実な情報が必要となりますので、過払い金の引き直し計算の際には貸金業者との取引履歴が必要となります。

取引履歴とは、貸金業者が把握している、お金を借りる側の人とのこれまでのお金の貸し借りの記録がすべて記録されたものです。これは、お金を借りている人の権利として貸金業者か側に請求し、取得することが可能であるとされています。過払い金請求をする際はまず、貸金業者に連絡をし、取引履歴を送ってもらいましょう。

ですが、当然の権利とはいえ取引履歴を取り寄せる際に、「何のために使いますか」などと聞かれても、「過払い金請求をするため」と答えるのはやめておきましょう。

過去には、「過払い金請求するために取引履歴を下さい」と申し出た人に対して、貸金業者側が取引履歴の開示を拒否をするという事案が多く報告されていました。

現在は取引履歴を請求された場合開示しなければならないということが厳格化されているので、拒否される事案はそこまで多くありません。ですがわざわざ請求するための理由を述べる必要もありませんので、目的は言わなくて良いと言えるでしょう。

取引履歴をもとに引き直し計算をする

取引履歴を手に入れることができたら、それをもとに、「引き直し計算」と呼ばれる計算を行います。これは言葉通り、過去に実際支払った利息から、本来支払うべきだった額を引き、その差額=過払い金を計算する方法です。

単純な計算ではあるものの、1つ1つ手動で計算していくのは骨が折れる作業です。 インターネットで「引き直し計算 ソフト」などで検索すると、無料で引き直し計算が簡単にできるソフトを利用することができますので、自分で計算する場合にはぜひ利用してみましょう。

また、より確実かつ効率的なのは、弁護士や司法書士などの専門家に依頼することです。過払い金請求を依頼すると費用が必要になりますが、引き直し計算のみの場合、無料サービスをしている弁護士や司法書士も少なくありませんので、ぜひ利用してみましょう。無料で引き直し計算をしてもらった後、過払い金請求を続けて依頼することも可能です。

引き直し計算をする際の注意点

この計算によって割り出された金額を過払い金として請求することになりますので、ミスが許されません。もし引き直し計算で何か間違いあると判明した場合は、過払い金請求ができなくなってしまったり、請求することができるはずだった過払い金の金額が少なくなってしまうこともあります。

引き直し計算において最も複雑で、気をつけるべき点は、一連取引と分断取引の違いです。これら2つの違いを見極め、しっかりとした根拠をもとに主張することが必要とされます。まず一連取引とは、同じ貸金業者から完済した後ふたたび借り入れをした際に、それら2度の借り入れを同じ流れであり、同じ契約であるとみなす考え方です。

反対に分断取引では、同じ貸金業者から一度めの借金を完済した後に、ふたたび借り入れをした際は、それぞれ別の契約であるとし、一度めの借り入れと、それを完済した後の2度めの借り入れは、別々の取引であるとみなす考え方を指します。

一連取引か分断取引かにより、過払い金として請求することのできる金額が大きく変わることもあります。これらを見極める際には確認すべきポイントは、契約書の有無と、完済から再び借り入れをするまでの期間です。

一度完済した後、2度め、3度めの借り入れをした際に、その都度新たな契約書を交わしていたか否かが判断基準の1つとなります。

最初に一度契約書を交わしたきりで、その後再び借り入れをする際にも、一度めの契約書を引き続き利用した場合は、同じ契約が続いているとみなされ、一連取引であるとされやすいです。 反対に、2度め3度めと借り入れをするたびに新たに契約書を交わしていた際には、1つ1つの借り入れが別の契約であるとされ、分断取引であるとみなされやすくなります。

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