オリコの過払い金請求は裁判を「する」と「しない」のどちらが得か
「過払い金請求で裁判って大ごと過ぎませんか?」「和解と裁判どちらが得なの?」のように、過払い金請求について悩んでいる人や疑問に思っている人はたくさんいます。
特に、オリコに対する過払い金請求は裁判をしたほうがいいのか悩んでいる人が多いようです。
過払い金請求には、話し合いによる交渉(任意交渉)で和解する方法と裁判をする方法の2つがあります。
過払い金請求で裁判をする場合、得られるメリットはもちろん覚悟しておくべきデメリットも存在します。
そこで今回は、裁判による過払い金請求にどのようなメリットとデメリットがあるのか、また手続きの流れや費用について詳しく解説していきます。
もくじ(メニュー)
オリコの過払い金請求は裁判をする方が過払い金の返還率が高い
オリコの過払い金請求を裁判によっておこなう場合、過払い金の返還率が高くなるだけでなく利息付きでの回収も期待できます。
ただし、過払い金の利息は年5%で計算することが認められていますが、貸金業者の経営状態によっては請求できないことも考えられます。
オリコであれば利息の回収も十分に可能です。
オリコは基本的に話し合いによる交渉では70%~90%近い返還率での和解が一般的です。
もし過払い金をもっと多くしたいのであれば、裁判をすべきでしょう。
裁判をすることで、オリコに対する過払い金請求は手続き期間が早まる可能性があります。
早期解決や損をしない過払い金請求を目指すのであれば、裁判をすることも考えてみると良いでしょう。
オリコの過払い金請求を裁判するデメリット
過払い金に対する利息が手に入ることや返還率が高まるというメリットがある反面、裁判による過払い金請求にはデメリットも存在します。
例えば、過払い金が返ってくるまでの手間と時間がかかることがそのひとつです。
任意交渉ならスピーディな返還が期待できますが、裁判に発展すればそのぶん手間と時間がかかり返還までの期間が長くなりかねません。
裁判は基本的に1カ月に1回のペースで進められます。
自分で手続きをする場合は、平日に裁判所へ足を運ぶ必要があります。
仕事や子育てをしながら自分で裁判をするとなれば、時間を確保しなければいけないのでとても大変です。
また、裁判所や貸金業者とのやり取りを自分だけでやらなければいけないので、家族に知られてしまうリスクも高まります。
他にも、裁判費用を負担しなければいけないので、金銭的な負担も考えられるでしょう。
また、オリコと争う争点がある場合は、返還されるまでの期間がのびることもあります。
オリコの過払い金請求の裁判で争点となるポイント
過払い金に5%の利息を付けて回収する
過払い金は民法703条で規定されている「不当利得返還請求」に該当します。
不当利益に対する利息は、民事法定利率として年5%で請求することが可能です。
ただし、利息を回収するためには、いくつかのポイントをクリアしている必要があります。
まず、債務者に明確な損失があることと債権者が利益を得ていることがあげられます。
さらに、この2つの間に因果関係があり法律上の原因がないことが条件です。
つまり、オリコは過払い金があることを知っていたにもかかわらず利息を得ていたという事実が重要です。
利息付きで過払い金を回収するためには、オリコが「悪意の受益者」であったかどうかをはっきりさせる必要があります。
基本的に、話し合いによる交渉では利息付きの回収はむずかしいので、裁判によって争うことになるでしょう。
司法書士や弁護士に依頼せずに自分の力だけで過払い金請求を目指す場合、5%の利息を回収することはあきらめざるを得ないということになります。
債権額が多い場合や借入期間が長期に及んでいる場合、利息を回収できるかどうかによって返還額が大きく変わることを頭に入れてきましょう。
オリコから借入と完済を繰り返している
オリコからの借入を完済してからわずかの間に再び借入をおこなった場合、同じ契約番号で複数の取引があると見なされることがあるので時効の判断がむずかしくなります。
複数の取引をまとめて一連の取引と見なすのか、もしくは別々の取引として考え分断と判断するかによって過払い金請求の進め方も大きく変わってくるでしょう。
もちろん、すべての取引が時効を成立していなければ問題ありませんが、時効を迎えている取引が含まれている場合は、判断や解釈のズレがおこってしまう可能性が高いです。
過払い金請求をする側にとっては一連の取引として扱われるほうが得ですが、貸金業者にとっては分断と判断されたほうが返還額を減らせるのでメリットとなります。
そのため、一連か分断化という問題は、オリコの過払い金請求の際に争点となることが多いといえます。
最終的には、裁判によってはっきりさせることになるので信頼できる司法書士や弁護士にサポートしてもらうことがポイントです。
期限の利益喪失・遅延損害金の利率による計算主張
オリコは過払い金請求の裁判で、「期限の利益喪失」を主張してくることがあります。
期限の利益とは、分割払いの期限まで支払いを待ってもらえる利益のことです。
借入をしても返済期日までに支払えば良いのですから、借り手にとって有利な権利といえるでしょう。
ただし、返済日が過ぎているにもかかわらず滞納してしまった場合には、期限の利益の喪失と見なされます。
また、弁護士に債務整理を委任した場合もこれに該当します。
「借主は期限までの利益を失ったので遅延損害金利率で計算すべき」とオリコが主張してきた場合、過払い金自体がなくなるだけでなく借金の一括返済を求められる可能性も出てきます。
利息制限法の4条によれば、上限金利の1.46倍までを遅延損害金利率として計算できると定められています。
要するに、返済の延滞や滞納があった場合、貸し付けた金利の1.46倍で計算し直して借主に請求できるということです。
期限の利益喪失に当たるかどうかは、オリコの対応にもよります。
長期にわたって返済を延滞・滞納したことがある人は、注意したほうが良いでしょう。
オリコの過払い金請求の裁判の流れ
1.裁判所に訴状を提出する
裁判をするためには、準備しておかなければいけない書類がいくつかあります。
提出した書類に不備がなければ受理されるので、まずは下記の書類の準備を済ませておきましょう。
その後、第一回口頭弁論の日時や和解の有無などを記入する照会書が届くので、必要な箇所を記入して郵送またはFAXで裁判所へ送ります。
裁判に必要な書類
- 訴えの内容を述べた訴状
- 証拠説明書
- 取引履歴
- 引き直し計算書
- 過払い金請求をする貸金業者の情報が書かれた代表者事項証明書(登記簿謄本)
2.口頭弁論がおこなわれる
訴状を提出してから第一回口頭弁論がおこなわれるまでの期間は約1カ月です。
和解がまとまらなければ月1回のペースで口頭弁論会がおこなわれることになります。
和解交渉がスムーズに進めば早期解決も可能ですが、争点があればそのぶん話し合いも長引いてしまいます。
そのため、裁判が始まってからもオリコとの話し合いによる交渉は続くことを頭に入れておきましょう。
話し合いをするなかで、裁判をする前よりも高い返還率での和解を申し出てくることもあるので、早期解決を希望する場合や返還額に納得できる場合は和解に応じるという選択肢もあります。
3.和解するか判決がでるまで裁判を続ける
過払い金請求が裁判に発展した場合、判決がでるまで裁判を続けることもできますし、途中で和解交渉に応じるという道を選ぶこともできます。
和解と裁判による判決のどちらを選択するのかは、自分の判断次第です。
もちろん、依頼した司法書士や弁護士が依頼者に断りもなく勝手に和解することはありません。
過払い金請求が長期化することを避けたいのであれば、司法書士や弁護士に相談しながらタイミングを見極めるのも良いでしょう。
4.過払い金が入金される
貸金業者と和解が成立した場合は和解書にもとづいた期間で過払い金がオリコから支払われます。
また、裁判によって判決が出た場合は判決書の内容に従って返還を受けることになります。
第一回の口頭弁論前後に和解交渉に応じれば、そのぶんスピーディにお金が振り込まれますが、満額回収を目指したいのであれば過払い金を受け取るまでには半年以上かかってしまうことも少なくありません。
司法書士や弁護士に依頼した場合、一度事務所の口座に入金されて必要な経費を差し引いた金額が依頼者に振り込まれるのが一般的です。
オリコの過払い金請求にかかる費用
収入印紙代
収入印紙代は、過払い金請求の裁判をする際に必要になる費用です。
裁判所へ支払う手数料は収入印紙で納付するのが決まりになっています。
収入印紙は郵便局やコンビニでも購入できますが、金額が大きくなるとコンビニでは取り扱っていないケースも少なくありません。
請求する過払い金が100万円以下のときに必要な収入印紙は、10万円につき1000円程度です。
100万1円~500万円の場合は、20万円につき1000円ずつあがります。
裁判所へ申立書や訴状などの提出をするときに貼り付けることになるので、必要に応じて準備しておくと良いでしょう。
切手と同様に複数枚合わせて使うこともできますが、重ならないように注意が必要です。
郵券代(予納郵券)
裁判を進めていくうえで、裁判所から書類の郵送が必要となることが多々あります。
その都度裁判所で切手の準備をするのでは手間や時間がかかってしまいます。
郵券代とは、円滑に手続きが進められるように裁判所へ事前に納める郵便代金のことです。
和解調書や判決に関わる重要な書類は通常郵送されることが多いので、訴状に郵券代を添付するように求められています。
余ったときには返還されるだけでなく、裁判で勝つことができたらその費用は貸金業者に請求できるシステムです。
各裁判所によって求められる郵券代の金額は変わってきますが、1つの貸金業者に過払い金請求の裁判をするとなると6000円程度負担することになります。
代表者事項証明書の発行手数料
裁判をするとなると、過払い金請求をする相手である貸金業者が実在するかどうかチェックする必要があります。
そのため、確かに業者が実在することを証明する書類として、代表者事項証明書を添付することが必須です。
代表者事項証明書には、貸金業者の商号や本店住所、さらに代表者氏名などが詳細に記載されています。
法務局で取得できますが、その際に手数料として1通につき600円程度の費用が発生します。
手数料(登記印紙)は法務局内で購入が可能です。
もちろん、複数の貸金業者に対して過払い金請求をする場合は、業者の数と同じ代表者証明書が必要になります。
有名な貸金業者であっても必ず取得が必要なので、手続きに合わせて準備しておきましょう。
訴訟手数料・日当交通費等
司法書士や弁護士のなかには、収入印紙や郵券代のように必ず必要になる費用以外の手数料を求めてくるところもあります。
訴訟手数料として貸金業者1社につき5万円請求されたり、裁判所への出廷のたびに1万円ずつ日当交通費が発生したりといったケースも少なくありません。
過払い金対象業者が複数ある場合や裁判が長引いてしまったときには、必然的に費用も高くなってしまうというデメリットがあります。
しかし、訴訟手数料や日当交通費等がかからない事務所もたくさんあるので、できるだけコストを抑えたいという人は依頼する前に確認しておくことが大切です。
損をしない過払い金請求をするためには、司法書士や弁護士に相談するときにトータルでかかる費用について詳しく説明してもらうように心がけましょう。
オリコの過払い金請求は多くの人が司法書士や弁護士に依頼している
オリコの過払い金請求を検討している人のなかには、裁判をするべきか和解交渉で解決すべきか迷っている人も多いことでしょう。
オリコに過払い金請求をするなら、裁判をするほうが多くの過払い金を取り戻せる可能性が高いといえます。
さらに、裁判をしたほうが手続き期間を短縮できる可能性もあります。
とはいえ、裁判をするとなると専門知識が必要です。
また、平日に裁判所へ足を運ばなければいけないので時間や手間もかかります。
仕事をしている人は、平日に裁判所へ行くことがむずかしい場合もあるでしょう。
そんなときには、裁判の手続きをサポートしてくれる司法書士や弁護士に頼るのもひとつの方法です。
司法書士や弁護士に依頼すれば、必要な手続きや裁判所とのやり取りを依頼者に代わってすべておこなってくれます。
裁判・和解のどちらにすべきか悩んでいる人も多く見られますが、手続きを始めなければ裁判が必要かどうかも判断ができません。
まずは、司法書士や弁護士に相談して裁判をすべきかアドバイスをもらいながら過払い金請求を進めていくのが良いでしょう。
損をしない過払い金請求を目指すためにも、司法書士や弁護士に依頼する際には費用についてしっかり確認してくことがポイントです。
複数の事務所に相談するなどしながら自分に合ったところを見つけましょう。
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