いくらある?三菱UFJニコスの過払い金を計算する方法と注意点
2007年以前にニコスから借金をして完済した人や現在も返済を続けている人にとって過払い金問題は他人事ではありません。
しかし、「自分に過払い金があるのか知りたい」「過払い金の計算をしたいけれど方法が分からない」と悩みながらもいまだ行動に移せていない人も多いようです。
ニコスに過払い金請求をする際には、自分に過払い金があるかどうかを確認する必要があります。
過払い金を算出することは自分でもできますが、正確に計算するにはポイントをおさえて慎重におこなわなければなりません。
過払い金の額を間違えると返還される過払い金の額に影響を及ぼします。
過払い金の計算はそれほど重要だといえます。
取引が複数あるような人はより複雑な計算をしなければならず間違いやすいため、心配な人は司法書士や弁護士に依頼するようにしましょう。
過払い金を計算する際の注意点をしっかりと把握し、正しい金額を算出して過払い金請求をおこなってください。
ニコスの過払い金を自分で計算する方法
ニコスに過払い金がある可能性が高い人は、一度過払い金の計算をしてみましょう。
過払い金の計算はプロでなければできないと思っている人も少なくありませんが、正しい手順を知っていれば自分でも計算することができます。
ここでは、その手順や過払い金の計算方法について説明します。
ニコスから取引履歴を取り寄せる
過払い金請求のための計算には取引履歴が必要です。
取引履歴には借入した時の利率や借入日と金額、返済日と金額が記載されています。
過払い金はそれらの情報をもとに算出するため、過払い金の計算をしたいと考えている人はニコスから取引履歴を取り寄せましょう。
ニコスの場合は三菱東京UFJニコス受付窓口に問い合わせをして取引履歴を郵送してもらいます。
そのほかのニコス提携カードについては種類によって受付窓口が異なるため、問い合わせる際は以下を参照してください。
三菱東京UFJニコス受付窓口
MUFGカード(MasterCard®・Visa・JCB)をお持ちの方
MUFGカードコールセンター
電話:0570-050-535/03-5489-6165
MUFGカード・アメリカン・エキスプレス®・カードをお持ちの方
MUFGカード・アメリカン・エキスプレス・カードデスク
電話:0570-050-558/03-5489-6116
DCカードをお持ちの方
電話:03-3770-1177(東京)
電話:06-6533-6635(大阪)
NICOSカード、マイベストカード、三菱UFJニコスローンカードをお持ちの方
電話:03-5940-1100(東日本)
電話:06-6616-0770(西日本)
UFJ JCBカードをお持ちの方
電話:03-3340-6921(東京)
電話:052-251-1911(名古屋)
電話:06-6208-0800(大阪)
協同カードをお持ちの方
電話:03-3294-1930(東京)
過払い金計算ソフトで過払い金を計算する
ニコスから取引履歴を入手できたら、ようやく過払い金の計算ができます。
過払い金の計算を自分でおこなう際には利息計算ソフトを使用するのがおすすめです。
利息計算ソフトはインターネット上に無料で公開されており、エクセルが使えるパソコンとインターネット環境さえ整っていればすぐに計算を始められます。
よく利用されている計算ソフトには「TDONの引き直し計算ソフト」や名古屋消費者信用問題研究会の「名古屋式」、アドリテム司法書士法人の「外山式」などがあります。
使い方やダウンロード方法は各ホームページに記載されている指示に従って進めてください。
どのソフトも使い方に大きな違いはなく、ニコスから取り寄せた取引履歴に記載されている借入時の利率、借入日・金額、返済日・金額などを指定の箇所に入力します。
これらの必要事項を入力し終えると自動で引き直し計算をして過払い金を算出してくれます。
引き直し計算とは、高金利で返済した借金を正しい金利で返済した場合の額に引き直す計算方法です。
この差額が過払い金の額となります。
エクセルが使えるパソコンやインターネット環境がない場合は自力で引き直し計算をするのはむずかしいため、司法書士や弁護士に相談してください。
ニコスの過払い金を計算するときの注意点
インターネット上の無料計算機は当てにしない
インターネット上には利息計算ソフト以外にも過払い金を算出できるツールがあります。
インターネットブラウザ上で過払い金の計算ができる無料計算機は、ソフトと違ってダウンロードをする手間を省けますが正確性に欠けます。
いろいろなサイトで公開されており利用する人も多いですが、あくまでも参考のために確認する程度のツールと考えてください。
過払い金は借入や返済状況など取引内容が影響するため計算結果は各自の条件で大きく異なります。
インターネット上の無料計算機はあまり当てにせず、過払い金の計算は必ずニコスから取り寄せた取引履歴を確認しながら利息計算ソフトを使っておこなうようにしてください。
ニコスに取引履歴の使用目的を聞かれる
ニコスに連絡をして取引履歴を請求すると取引履歴の取得理由について聞かれることがあります。
ニコスには取引履歴を請求された際に情報を開示する義務があるため、取得理由によって取引履歴を請求できなくなることはありません。
しかし「過払い金請求に使用したい」との答えは絶対にしないでください。
この一言により過払い金請求をする際に不利になることがあるからです。
もしニコスと裁判になった際に「支払っていた利息を過払い金と認識しながら返済していた」と主張されてしまうと、最悪過払い金を取り戻せなくなることもあります。
そのような事態を避けるためにも、本心は隠しておき「これまでの借入をすべて確認したい」などと答えるようにしましょう。
ニコスは取引履歴を破棄していることがある
ニコスは複数のクレジットカード会社が合併して現在に至るため、カードによっては取引履歴が処分されていることがあります。
例えば旧NICOSカードは1995年以前、旧UFJカードは1993年以前の取引履歴が処分されており、取引履歴を請求しても開示されません。
取引履歴が処分されている場合は、貸金業者による引き落としが分かる口座や開示された分の取引履歴などから推測をして過払い金の計算をします。
この方法は推定計算と呼ばれ、素人にはとてもむずかしい方法といえます。
特にキャッシングとショッピングを併用していた場合は、どれがキャッシングの取引であったかを主張するのは困難です。
推定計算をおこなわなければ正確な過払い金を算出できないのであれば、誤りを避けるためにも司法書士や弁護士に過払い金の調査・計算を依頼することをおすすめします。
ニコスからゼロ和解を提案される
ニコスに現在も借金を返済している人はニコスからの甘い提案には気をつけましょう。
取引履歴を取り寄せるためにニコスに連絡をすると、担当者から「この電話で残債を0円にできますが、どうでしょうか」「和解をすれば残りの借金をなしにできます」というようことを言われることがあります。
残っている借金が帳消しになる上に面倒な手続きもしなくて済むためお得に聞こえますが、実際は残っている借金よりも過払い金が上回っているからこのような提案をしてくると考えられます。
このような「ゼロ和解」には一切応じないようにしてください。
過払い金請求はお金が戻ってくる可能性が高いとはいえ、各種手続きを面倒と感じてしまうこともあるでしょう。
ゼロ和解のようにいますぐ残債がなくなれば楽にはなれますが、正当な手続きをおこなえばある程度のまとまったお金が戻ってくるかもしれないのです。
そのことを忘れないでください。
過払い金の計算を間違えない
過払い金請求をする際、過払い金の額は絶対に間違えないようにしましょう。
引き直し計算を間違えて本来の金額よりも少ない額を請求してしまったとしても、ニコスにとっては好都合であるためそのことを指摘されることはありません。
そのため自分のミスによって知らないうちに損をすることになります。
逆に、計算間違いによって本来よりも多い額の過払い金を請求してしまった場合、計算の誤りを指摘されて過払い金請求を断られてしまうことがあります。
過払い金の計算は慣れていないとむずかしく、さらにニコスに追加の借入をしていたり一括で返済したりしていると計算がより複雑になり間違いやすくなってしまいます。
加えて、滞納や延滞をしていると遅延損害金が発生するため計算がもっとむずかしくなります。
日本信販・マイベスト・DCカードの借入がないか
ニコスの前身の一つは信販会社最大手といわれた日本信販であり、マイベストやDCカードとも合併をしているため、ニコスに過払い金請求をすると日本信販・マイベスト・DCカードの借入もその対象となります。
これらのカードで借入が残っている場合、ニコスから返還されるはずの過払い金を返済にあてることになってしまいます。
しかも過払い金が借入の金額よりも少額であると、過払い金請求ではなく任意整理になってしまうためブラックリストに載ってしまいます。
キャッシングの借入だけでなくショッピングの支払いが残っている人も同様で、支払い金額が過払い金を上回っていると任意整理となります。
ブラックリストに載ってしまうと、ニコスだけでなく他の貸金業者からも約5年間は借入ができなくなってしまいます。
社会的信用も落ちるためローンの審査も通りづらくなるなど、さまざまな不利益をこうむることになります。
そうならないためにも、日本信販・マイベスト・DCカードに借入が残っている人は過払い金請求をする前に、借入の残額と過払い金の正確な額を把握しておきましょう。
過払い金請求の時効が迫っていないか
過払い金請求は無期限でおこなえるものではなく10年という時効があります。
最後に取引をした日から10年が経過してしまうと、司法書士や弁護士であっても過払い金を回収することができなくなってしまいます。
そのため、自身の過払い金請求の時効がいつなのかを把握しておくことは大切です。
取引の詳細をこまめに残していればすぐに確認することができますが、そのような人は少ないでしょう。
正確な時効はニコスから送られてくる取引履歴に記載されていますが、それが手元に届かなければ正確な時効を確認することはむずかしいといえます。
取引履歴を早く確認したくても、請求者が個人である場合はニコスが手続きを後回しにすることも多いため注意しましょう。
この取引履歴の請求もそうですが、過払い金請求の各手続きは自分でおこなうとなると時間のかかる作業です。
自分の時効を知らずに過払い金請求の手続きを始め、途中で時効を迎えてしまい請求できなくなるようなトラブルも少なくないため気をつけてください。
完済した時期や最後に取引をした日が分からない人は、なるべく早く司法書士や弁護士に依頼をした方が安全です。
ニコスからの借入と完済を繰り返している~取引の一連と分断
ニコスに借金を重ねている人が過払い金請求をするとよく争点に挙がるのが、取引に継続性があるか否かという点です。
借入と完済を繰り返している場合は引き直し計算が複雑になるだけでなく、ニコスと請求者側で主張が食い違い裁判に発展することが比較的多いといえます。
なぜなら、一度目の借入を完済してから期間があいて再度借入をした場合、期間があいても契約番号が同じであるため取引を一連とするのか、期間があいているため一連とは考えられず取引は分断されたとするのかで過払い金請求の結果が大きく変わるからです。
裁判ではそれぞれの取引内容・条件・経緯の違いや、完済から次の借入までの空白期間の長さがポイントになります。
一般的には空白期間が365日以上あいているかどうかが基準となるようです。
取引の一連・分断は裁判所が判断することであり、例外もあるため基準は目安程度にとらえておきましょう。
請求する側にとっては取引が一連であると認められる方がよい結果につながります。
裁判所が「取引は一連である」と判断すると時効の起算日が最新の取引の最終返済日となるため、1つ目の取引が時効に達していたとしてもその時効は成立していないことになるからです。
そうなると過払い金請求の対象となる取引が増えるため過払い金の返還額が多くなることも期待できます。
ニコスの過払い金の計算は司法書士や弁護士に依頼すべき
過払い金請求に対するニコスの対応は比較的良心的といわれていますが、できる限り返還額を少額にとどめたいのが本音でしょう。
請求する側に落ち度があるとそれを利用されて損をする可能性も大いに考えられます。
特に間違いやすい過払い金の計算については細心の注意が必要です。
過払い金の額を誤ると取り戻せるはずのお金が少なくなったり、過払い金請求自体ができなくなったりします。
過払い金を算出する引き直し計算は自分でもおこなえますが、素人にはむずかしく時間もかかります。
注意点も多いため何かとリスキーです。
計算が苦手な人はもちろん、なるべく早く過払い金請求の手続きを終えたい人は司法書士や弁護士に相談をしましょう。
事務所によっては過払い金請求に関する着手金や相談だけでなく、調査や計算も無料でおこなってくれることがあります。
インターネットでいろいろ調べられるため、自分と相性のよさそうな事務所を探してみてください。
過払い金の計算は「念には念」を心がけ、自分でするのか依頼するのかベストな方法を選んでおこないましょう。
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