【いつからいつまでが対象？】アコムの過払い金請求ができる条件

過去に消費者金融会社からキャッシング利用をした人は、「過払い金」の請求をする権利があります。

過払い金とは本来支払う必要のない利息のことで、消費者金融会社の大手であるアコムから過去にキャッシングをした人も、過払い金が発生している可能性があります。

そして、過去にアコムを利用した人だけでなく、現在もアコムからのキャッシング額を返済中の人も、過払い金が発生している可能性があるのです。

しかし、アコム利用者のなかには「請求する期限は何年から何年までが対象なのか」、「自分がアコムを利用しているときには過払い金が発生していないのでは」と疑問に思っている人もいることでしょう。まずは、体験談を2つお伝えしてその後解説いたします。

すでに返済が終わった過去の借金に生じていた過払い金の返還請求を行った話について

• 年齢:４０代
• 職業:自営業
• 性別:男

私は過去に借金を長く続けていたことがあります。最初に借りてから完済するまで約十年もかかり、それからさらに数年の月日が経過しました。その頃にはテレビCMなどで過払い金という言葉をよく聞くようになりましたが、私には関係の無い話だと聞き流していました。しかし、両親からは過払い金の時効は十年だから早いうちに確認するようにせかされ、仕方なく無料相談を行っている司法書士に相談しました。過払い金の有無を確認するのに必要な書類を貸金業者から取り寄せ、実際に算出するまで二か月ほどかかりましたが、約二十万円の過払い金があったことが判明したので即座に返還請求の代行をお願いした次第です。

司法書士からは算出した全額が戻って来るとは限らず、場合によっては相手側が裁判を起こす可能性もあると聞かされましたが、それでも返還請求をおねがいしました。これは払う必要が無かったお金を取り戻したい気持ちが強かったのが大きな理由です。手続きをお願いした司法書士が優秀だったことから交渉がスムーズに進み、ひと月もせずに過払い金の八割以上を取り戻すことに成功しました。司法書士に依頼金などを支払った後は手元に八万円ほどが残るだけでしたが、不当に払ったお金が戻ってきたのでその点は満足できました。”

過払い金請求でようやく借金生活から逃れました

• 年齢:４０代
• 職業:自営業
• 性別:男

“ギャンブルにはまった結果、貯金額が底をつき、消費者金融でお金を借りるようになりました。まだ金額が小さい時はきちんと返済出来ていたのですが、借金する事がクセになってしまうと、どんどん額が大きくなります。その結果、借金を返すために他の会社でお金を借りるという悪循環を繰り返すようになりました。自分の中では安全な会社にお金を借りているつもりでしたが、中には半ば脅すような感じで返済を迫ってくる会社もありました。生きている事も辛くなった頃、知人が知り合いの司法書士事務所を紹介してくれたのです。そこで過払い金請求の事を詳しく知りました。

司法書士さんは私の話をゆっくり聞いてくれました。借金で苦しむ事になった経緯、具体的な借入額、何社に借金しているかを聞いてもらい、｢おそらくお金を払い過ぎているでしょう｣と言われました。過払い請求するためには返還手続き用の書類や代理人申請の委任状を作成しなければいけなかったのですが、書類を準備した後は全て司法書士さんにお任せ出来ました。借入額が多い会社に対しては裁判所を通して交渉する事となりましたが、結局全ての会社と和解成立し、返済残高は全て無くなりました。過払い金請求を行ったことで、今は平穏な生活を送る事が出来て満足しています。

また、過払い金を請求する際、どのような手続きをすればいいのかわからないために、過払い金請求をためらっている人も一部にはいます。

今回は、アコムでキャッシング利用をした際に発生した過払い金は、いつからいつまでの期間のキャッシング額が対象となっているのか、アコム利用の人で過払い金請求ができる対象者はどのような条件があるのかなどを、詳しく説明します。

アコムの過払い金請求ができる条件

かつて各消費者金融会社は、金融に関する法律である貸金業法の隙間をぬって設定した金利により、必要以上の利息を利用者から請求していました。

大手消費者金融会社であるアコムも、同様にそのような行為をおこなっていましたが、貸金業法の改正により、改正された決まりにしたがった金利を設定するようになったのです。

以前のアコムは最高27.375%の金利でキャッシングをおこなっていました。

この金利によって、アコムの利用者は本来支払う必要のない余分な利息の支払いを強いられることになります。

しかし、2007年6月18日に金利の見直しがなされ、それ以降のアコムは金利に関する法律である利息制限法が指定した金利にそって営業をおこなっています。

利息制限法による上限金利は、キャッシング額が10万円未満の場合は金利20%以下です。

10万円以上100万円未満の場合は18%以下、100万円以上は15%以下となっています。

つまり、過払い金が発生している時期は2007年6月18日より以前であり、それ以降にアコムを利用している人は過払い金の問題は解決しているので、過払い金は発生していません。

よって、2007年6月18日以前にアコムを利用した人は過払い金請求の権利がありますが、いつまでも過払い金請求ができるわけではありません。

アコムの過払い金請求ができない条件

アコムでキャッシング利用をした人すべてに、過払い金を請求する権利があるわけではありません。

過払い金請求は、いくつかの条件をクリアした人だけが得られる権利なのです。

そして、請求をする権利があっても、時間が経つことにより権利を失うこともあります。

自分がいつアコムを利用して過払い金請求の期限はいつまであるか、チェックすることが大事です。

借金を完済してから10年以上経過している

アコムへの過払い金の請求は、最後にアコムと取引をした日、つまり、キャッシング額をすべて返済した日から10年以上の年月が経過していたら請求する権利がなくなります。

法律では、決められた期間内に権利を行使しない場合、権利が消滅すると定められています。

過払い金請求は債権の一種に該当し、法律では債権の消滅時効は10年です。

そのため、過払い金請求を実行しないまま10年が経過すると、過去に余分な利息を払っていたとしても、請求する権利はなくなってしまいます。

この場合、弁護士や司法書士などの法律のプロに相談をしても、権利を再び得ることはできません。

そのため、過払い金請求の一連の手続きは、時効成立前におこなう必要があります。

時効までどれくらいなのか、または、手続きはどうやるのかわからない場合は、弁護士など専門家に相談をしましょう。

アコムが倒産してしまう

過払い金が発生した場合、その請求先は過去に利用した消費者金融会社などの貸金業者です。

しかし、その業者が倒産をした場合、対象である請求先が消滅するということなので、過払い金の請求ができなくなります。

また、請求の対象である業者が倒産せずに健在であっても、業者の経営状態により過払い金の支払い対応に差が出ます。

経営状態が安定している業者は、過払い金請求をしてもスムーズに対応してくれますが、経営が不安定な業者は過払い金の支払いに時間がかかることもあるのです。

アコムは三菱UFJフィナンシャルグループで経営が安定しているため、倒産の心配は少ないといえます。

しかし、ずっと経営が安定している保証はないので、アコムで過払い金の可能性がある場合は、早めに請求をしたほうがいいでしょう。

法定金利内の借入だった

過払い金は、法律で決められた金利以上の金利をかけられたことによって発生する金額です。

そのため、金融に関する決まりである利息制限法の上限を超えた場合、過払い金が発生することになります。

利息上限法で定められた上限金利の特徴は、キャッシングした金額によって金利が変化することです。

キャッシング額が10万円未満、10万〜100万円未満、100万円以上と変化するたびに、金利はそれぞれ20%以下、18%以下、15%以下となります。

貸金業者が過払い金を請求していた時代は、業者が利息上限法を守っていない独自に設定した金利で利息を請求していました。

そのため、過払い金を請求する条件の一つは、当時、利息上限法の上限金利を超えた金利で支払いをしていたということになります。

当時、上限金利の範囲内で利息を支払っていた場合、過払い金は発生していないので、過払い金請求はできません。

ACマスターカードで過払い金請求の対象となるのはキャッシングのみ

アコムでは「ACマスターカード」というクレジットカードが発行されています。

このクレジットカードでは、キャッシング枠とショッピング枠があり、どちらかを選択して使用することが可能です。

2つの枠のうち、キャッシング枠が過払い金請求の対象とされ、ショッピング枠は過払い金の対象扱いとはなりません。

ショッピング枠は、商品の購入時にカードを提示することにより、その場での支払いを免除できる仕組みです。

商品購入の後日、購入者の口座から商品の金額が引き落とされるという流れになります。

そのため、ショッピング枠は、キャッシングのように「借金」ではなく「立替金」という扱いとなるので、過払い金請求の対象外になるのです。

ショッピング枠の残債がある場合の過払い金請求は注意が必要

アコムのACマスターカードでキャッシング枠の過払い金請求をする際の注意点は、ショッピング枠に大きな額の返済が残っている場合です。

ショッピング枠の返済額が残っている状態で過払い金請求をおこなうと、返還された過払い金とショッピング枠の返済額が相殺されます。

このとき、過払い金よりショッピング枠の返済額が多かった場合、過払い金請求ではなく任意整理扱いとなるのです。

任意整理扱いになると返済能力がない人間とみなされ、信用情報期間に記録されます。

任意整理扱いとなりブラックリスト入りしてしまうと、5年間は新たなキャッシングやローンの審査が通りにくくなるという弊害が起きてしまうのです。

そのため、過払い金の金額、ショッピング枠の返済残高をしっかりと把握する必要があります。

アコムの過払い金を計算する方法

アコムに過払い金請求をするには、弁護士などの専門家に依頼をする方法がありますが、自分でも過払い金請求をおこなうことも可能です。

自分で請求をする場合は、過払い金の計算をして具体的にどれくらいの過払い金が発生しているかを提示する必要があります。

アコムから取引履歴を取り寄せる

過払い金の計算をするには、過去にアコムでキャッシング利用をした際の取引履歴が必要になります。

取引履歴は、アコムでキャッシング利用をしたすべての履歴が記載されているものです。

キャッシングおよび返済した年月日、金額、利息とその利率などを知ることができます。

アコムの取引履歴は、直接アコムの窓口へいく、あるいは、アコムのお客様相談センターへ連絡をする方法で、履歴の取り寄せが可能です。

アコムのお客様相談センターは「0120-07-1000」になります。

アコムの窓口でお願いした場合は2時間で、郵送の場合はお願いしてから手元に届くまで2週間ほどかかります。

過払い金計算ソフトで過払い金を計算する

アコムから取引履歴を取り寄せたら、履歴の数字をもとにして過払い金の計算をおこないます。

計算するには、エクセルが使用可能の端末、インターネット上で公開されている利息計算ソフトを使うことによって簡単に計算が可能です。

計算ソフトは、TDONの引き直し計算ソフト、名古屋消費者信用問題研究会の名古屋式、アドリテム司法書士法人の外山式などが計算ソフトの代表格として有名です。

各ホームページにてダウンロードが可能で、ダウンロード方法とソフトの使い方もホームページ上にて説明文が掲載されています。

どのソフトも基本的に使用方法は同じです。

アコムの取引履歴に記載されている当時の利率、キャッシングした日付と金額、返済した日付と金額を指定された箇所に入力します。

それらを入力すれば、自動的にソフトが過払い金の金額を計算してくれる仕組みです。

過払い金の確認をすることがアコムへの過払い金請求の第一歩

先述した通り、過去にアコムを利用した人で2007年6月18日より前にキャッシング利用をした場合、過払い金が発生している可能性があります。

過払い金の請求は、過去にキャッシングした金額を完済した人、返済している途中である人のどちらの場合でも請求をする権利はあります。

アコムに過払い金請求するには、過去にキャッシング利用をしたという事実だけでなく、具体的な過去の履歴を確認することが必須条件です。

過去の履歴など、過払い金請求の必要書類の準備や一連の手続きは自分でもおこなうことはできますが、手間がかかります。

よって、専門家である弁護士や司法書士に依頼をすると、スムーズに請求を実行することが可能です。

専門家に依頼をすると費用がかかりますが、事務所によっては過払い金請求に関する相談や計算を無料でおこなってくれるところもあります。

過払い金請求は、法律が関わるむずかしい作業分野で、まずは気軽に専門の事務所に相談をしてみるのがおすすめです。